- ある日、メガネのレンズに拭き取れない汚れを見つけてしまった
- 久しぶりに明るいところでメガネを見たら、レンズが汚れていた
- レンズに傷がついているのに全然思い当たる節がない!
こんな経験をされた方って結構いますよね。
メガネのレンズのコーティングは、一度傷がついてしまうと、治すことはできません。
コーティングを全部剥がそうとする方もいるかもしれませんが、コーティングを綺麗に剥がすことは難しく、労力と時間がかかってしまいます。
さらに、目を守るコーティングを剥がしてしまう可能性を考えると、行うべきではありません。
今回の記事では、メガネのレンズに傷がつく原因とレンズを長持ちさせるコツを紹介していきます。
メガネのレンズに傷がつく原因について
知らない間にレンズのコーティングに傷がつく原因は3種類です。
- 熱による原因
- 拭き傷による原因
- スプレー残り 化学製品 水やけによる原因
それでは順番に解説していきます。
プラスチックレンズの構造
まずはレンズの表面のコーティングです。
- 撥水コート:水や油に強く、手入れがしやすくなるコート
- 反射防止コート:レンズ表面の反射を防いで、視界をクリアにするコート
- ハードコート:やわらかいレンズが傷つかないようにするコート
外側から『撥水コート,反射防止コート,ハードコートの順番』でレンズはコーティングされています。
熱が原因によるレンズの傷について
プラスチックレンズは熱が原因となって上の写真のような傷が表れます。
プラスチックレンズは60℃以上の熱によって、熱クラックと呼ばれる無数ひび割れがレンズ表面に発生します。
- 夏場の車内にメガネの置きっぱなし
- サウナにメガネをかけたまま入る
- メガネをかけたままのヘアドライヤー使用
- 焚き火やホットプレートなど高温のものにメガネを近づけた
お客様に傷んだメガネの使用状況をお伺いすると、上記のいずれかに当てはまることが多かったです。
今までサングラスは車の中に置きっぱなしだったから、メガネも同じように大丈夫でしょ?
サングラスのコーティングはハードコートのみで、撥水コートや反射防止コートがないために熱クラックが発生しなかった可能性が高いです。
レンズを長持ちさせるために夏場の車内に置きっぱなしはNGです!
熱による傷の対策
- 60℃以上の高温になる場所では使用しない・置かない
- 熱に耐性のあるレンズを選択する
1つ目の「60℃以上の高温になる場所では使用しない・置かない」はメガネを1日中掛けている人にとって「メガネを使用しない」っていうのは難しいですよね。
そこで「熱に耐性のあるレンズを選択する」がおすすめの対策です。
- ガラスレンズ
- 熱に耐性のあるコーティングをつけたレンズ
ガラスレンズとはについて
ガラスレンズは耐熱性に優れるため、高温になる場所でも使用することができます。
ですが、ガラスレンズにはいくつかデメリットがあります。
- 重いので鼻にメガネの跡がつく
- 衝撃に弱く破損して目に破片が入る危険性
- ガラスレンズで作ることができないメガネフレーム(ハーフリムフレーム等)がある
そして現在のメガネレンズの種類の主流はプラスチックレンズです。
ガラスレンズについて、気になる方はこちらの記事「ガラスレンズを買うならオススメはどこ?人気メガネ店を比較」を読んでみてください。
熱に耐性のあるレンズ【眼鏡市場 ヒートガードコートレンズ】
熱による傷を防ぐなら、「眼鏡市場のヒートガードコートレンズ」がオススメです。
ヒートガードコートレンズは、真空蒸着という技術を使うことで熱によるレンズ表面のひび割れ(クラック)を防止することができます。
モニター調査によると300名の方に熱の影響を受ける環境下で6ヶ月間使用したところ、熱クラックが発生した件数は0件だったそうです。
- 価格はメガネ一式価格(税込13,200円〜)に特殊加工価格+3,300円 合計税込16,500円〜
- 2枚1組レンズのみの購入価格(税込15,180円)
レンズ交換の価格が気になる方は「メガネのレンズ交換ならどこがオススメ?大手メガネチェーンを徹底比較」という記事を参考にしてください。
スプレー残り 化学製品 水やけ編
上記の写真のようなレンズ表面に点々が見えるなら、「スプレー残り 化学製品 水やけ」が原因です。
私の経験上、ヘアスプレーを使っているお客様に多い印象です。
また、水滴などに含まれる汚れの成分を拭き取らずに放置してしまうと乾燥し、水ヤケ(シミ)になって固着してしまう場合があります。
上記写真の状態まで放置してしまうとシミを取ることはできませんが、スプレーが付いた初期段階であれば取り除くことができる可能性があります。
それでも、汚れが付着している場合は、眼鏡屋でレンズの状態を確認してもらうことをおすすめします。
無理にご自身で力強くこすって綺麗にしようとしないでください。コーティングの傷が広がってしまう恐れがあります。
拭き傷が原因によるレンズの傷について
お使いのレンズ表面には無数の細かな薄い傷はついていないでしょうか?
このような薄い線がたくさんある傷は、間違ったメガネの拭き方が原因です。
洋服でメガネを拭くのはNG!!
急にメガネが汚れてしまった時や眼鏡拭きを持っていない場合、ついついシャツやハンカチでメガネを拭いていませんか。
シャツやハンカチは専用の眼鏡拭きと比較すると生地が荒く、レンズを傷つける可能性があります。
メガネケースに収納せずに持ち運び
メガネを持ち運びする際、ケースに入れずに裸で洋服のポケットに入れてしまう人も多くいます。
歩く振動によってメガネと洋服が擦れてしまい、細かなキズがついてしまうことがあります。
必ずメガネケースに収納して持ち運びしてください。
メガネのお手入れ方法
- メガネ全体を水洗いして、埃や汚れを洗い流す(落ちにくい汚れは薄めた中性洗剤を使用)
- ティッシュを使って、おおまかな水分を拭き取ってください(強くこすらない)
- メガネのレンズを優しく眼鏡拭きで拭く
- 最後にレンズ以外のメガネのつる(テンプル)などを拭く
※メガネフレームよりレンズを先に拭く理由は、フレームに付いた汚れをレンズに移さないため。
超音波洗浄機を使ってみよう
眼鏡屋の店頭にある超音波洗浄機をすると、普段落としにくいフレームとレンズの隙間の汚れも取り除くことができます。
もし眼鏡屋に行く機会があれば使ってみてください。
お家にあるものだけでも十分綺麗になりますが、市販のクリーナーを使用することでより簡単にお手入れすることができます。
傷に強いコーティングをつける
Zoff スーパーハードコート (オプション価格+3,300円〜)
メガネ一式価格に追加料金(+3,300円〜)で、傷に強いコーティングのレンズに変更することができます。
通常よりも約3倍キズがつきにくく、汚れがつきにくい特殊コーティングになっています
「安心のキズ1年保証」付き。通常のご使用において、万が一レンズにキズがついてしまった場合には、お渡し日より1年以内に1度同商品・同度数にて交換することが出来ます。
眼鏡市場 スクラッチシールド (オプション価格+3,300円)
メガネ一式価格に追加料金+3,300円,レンズ交換価格【2枚1組】15,180円で、傷に強いレンズに変更することができます。
通常よりも約2.5倍キズがつきにくく、埃や花粉がつきにくい特殊コーティングになっています。
安心の「キズ1年保証」付き。通常のご使用において、レンズ面にキズがついた場合、同商品・同度数にて交換することが出来ます。
元眼鏡屋店員が実際に使っているメガネケアアイテム5選
マイクロファイバーメガネ拭き
20cm×20cmのメガネ拭きが8枚入って、この値段はコスパ抜群です。
スマホ用やパソコン用、カメラ用などの複数のクロスが欲しい方はこちらのメガネ拭きがオススメ。
メガネ拭きサンワサプライ クリーニングクロス 超極細繊維 大判タイプ(30×40cm) DK-KC5
眼鏡屋で実際に使用していたものと同じサイズ感です。生地が薄いメガネ拭きだと、水洗い後にティッシュを使っていますが、厚みのある生地なら水洗いしたメガネをメガネ拭きだけで完結できます。
大きく厚いので、外出用ではなく「自宅専用」として使う方にオススメです。
トレシー カラークロス 24×24cm A2424-YOO G-20 スカイブルー
眼鏡店で最も売れていたメガネ拭きがこちらの「トレシー 24cm×24cm」
汚れが拭き取りやすく、生地が薄くメガネケースに入れやすいので、持ち運びをする方にはオススメのメガネ拭きです。
メガネシャンプー soft99
自宅には超音波洗浄機がないので、私はこちらを使ってメガネのお手入れをしています。眼鏡専用のシャンプーなので、安心して使えて皮脂などの油分をしっかり取ることができるので、スッキリ綺麗に仕上がります。
パール プラクリーン
こちらの商品は眼鏡屋で働いていた時にお客様のクリーニングに使用していたレンズクリーナーです。帯電防止機能がついているので、汚れを寄せつけずに綺麗な状態が長持ちします。
常連のお客様の中にはこちらの商品を箱買い(12本入り)で購入される方もいらっしゃいました。
レンズの傷を広げない方法【超音波洗浄機を使用しない】
眼鏡屋の店頭に超音波洗浄機を見つけると、つい洗浄したくなりますよね。洗浄する前に1つ確認してもらいたいことがあります。
レンズにキズがあるか確認してください。レンズにキズがついていると、超音波の振動によって、レンズのキズの幅が広がってしまうので、注意してください。
まとめ
今回はメガネのレンズに傷がつく3つの原因を紹介させていただきました。このようにレンズの傷を見るだけで、傷の原因をある程度推測することができます。
そしてレンズに傷がついてしまった場合は、自分で研磨したり、無理矢理コーティングを剥がそうとせずにレンズの交換がおすすめです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
私もこちらのヒートガードコートレンズを使用していますが、ドライヤーや焼肉などをしても全く問題ありませんでした。